【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜

「なんならチューもいっとく?」


「そ、爽先輩っ」


真っ赤になりながら、ジタバタと無駄な抵抗をするアイボン。

それに一拍置いて、キョンキョンと一輝もやっと反応した。


「嘘!!」


「まじで!?」


俺もまだほとんど実感はないけど。

でも皆に言い触らしてしまいたい。




「それなら先に言えよ。せっかくの休みなのに、早く起こされたんだぞ?」


腕を組みながら、ため息を吐く一輝。

俺だって被害者だっつーの!!って言おうとしたけど……


「何?あたしが悪いの!?」


「俺はほっとけって言ったじゃん」


痴話喧嘩勃発。

基本仲がいい二人だから、俺もあえて止めたりしない。

むしろ、いつも通りで癒される。