「うっ……うわーん!」

ある森の入り口で、女の子が大声を上げて泣いていた。
どれだけ涙を流しても、涙が止まる気配はまるでなかった。

「どうしたの?」

1人の少年が女の子に駆け寄る。

「お人形……無くしたの。あれ、死んじゃった、ママがくれた物なの。」

女の子は泣きながら必死に言う。
少年は優しく微笑み女の子の頭を撫でた。

「そっか……、じゃあ一回、そのお人形を想い浮かべてみて。」