「わかった。」 俺は頷いた。 語り部はそんな俺を見てニッと笑う。 「これから君は、柚歌と一緒に“世界の刻(とき)”を捜してほしい。」 「柚歌と?」 俺は柚歌の方を見る。 「柚歌は音宮家の人間だよ?勿論〈調和〉と〈調律〉の力は持ってる。君の力が暴走しないようにちゃんと見張ってもらわないと。」 暴走……俺はさっきの光景を思い出す。 人が血の海に溺れているーーもう絶対起こしてはいけない。