「…あの」 夢のようだった。 キミが私の目の前に居る。そして、初めて聞いた優しい声。 「定期、落としたよ」 「えっ…?」 彼が手に持っていた物は間違いなく私の定期入れ。 目立つ派手なピンク。 「あっありがとうございます」 私は深々く頭を下げた。