それにしても広い旅館!
おっきな窓からは、
きれいな紅葉が見える。

「わあ~☆キレイっ」


窓のわきに、1枚の葉っぱを見つけた。



「見て伶矢♪これお土産にもって帰ろ~」

「おっ☆紅葉だ!よかったな。」



これは、
伶矢と京都に来た証…

一生の宝物にするっ!



「晴香これ見てみ?」

「ん?なになに~」


伶矢が渡してきたのは、旅館のパンフレットだった。


「ここっ☆」


伶矢の指の先をたどる。


「お…まじ…ない?」

「そう☆恋の!!」


恋のおまじない♪

と書いてある。


「へ~おもしろそう☆」
「だろ?☆」


この旅館には、平安時代から伝わる1本の紅葉の樹がある。

その樹の葉に、好きな人と自分の名前を書いて、いつも持ち歩く。

そうすると、その樹の葉が、いつも2人を巡り合わせ、いつか結ばれる…という言い伝え。


「やってみた~い!!」
「でも樹は自分で見つけるらしいよ?」

・・・

「へっ?!」

「なんかどことか書いてないしね☆」


そう言い残し・・

伶矢は言ってしまった。


こ…こんなにいっぱい生えてる樹から1本を探すなんて?!


困るよ~


でも恋を叶えたい!!


今日は樹を探すのに専念することにした。