「はい、どうぞ」

笑顔でおにぎりの入ったお弁当箱を差し出す。

するとむんずっと掴み、がぶっと大口で食べる。

…豪快だなぁ。

「ん~! うめぇ! コレ全部、アンタが作ったの?」

「まさか。手伝ってもらいながら、作ったのよ。まあレシピは全部アタシが作ったのだけど」

「へぇ」

頷きつつも、おかずにも手を伸ばす。

…にしても、本当によく食べるなぁ。

次から次へと手は伸び、そして口の中へ消えていく。

男子高校生の食べっぷりはよく見てたけど、彼はそれより上を行くな。

活躍する為に、力を溜めているんだろう。

「あっ、それじゃあアタシ、他の所も回るから…」

「え~! ダメっ! オレまだ食う!」