「結構ね、面白かったよ」 「ふーん」 「内容はね、先生と生徒の恋だった」 「禁断の恋、だな」 先生は真っ白な解答欄に、ピンっとチェックをした。 「ねぇ。先生はどう思う?」 「どうって?」 「みんな憧れてるでしょ。先生と生徒の禁断の恋」 「それがどうしたんだよ」 「先生としては、どう思う?」 「日本の将来が心配だな」 そう言った先生は、マル付けしていた手を止めた。 カチリと赤ペンのキャップを閉める。 「でも……」