幸せのカケラ

更に空しい……。





桃太郎を抱きながら、リビングテーブルに座る。


君が買って来た食材。

暇も手伝い、何となくテーブルに並べてみる。




ジャガ芋、玉葱、糸蒟蒻、豚バラ肉…。

これは、正に肉じゃがの食材だな。


大根と鰤…これは鰤大根を作るのか。



僕と君が毎朝飲む、インスタントコーヒーの詰め替えパック、食パン、君の好きなブルーベリーのジャム。

モヤシとニラ、人参に椎茸。

卵に冷凍の鮭に、桃太郎のご飯。

豆腐に納豆に……。





………甘い物が一つも無い。









食べたいなぁ、大福。



今日食べられるなら、有給休暇を減らされても文句言わない。

寿命を一年くらい短くされてもいいや。



夏のボーナスで新調する予定の、ゴルフバッグも諦める。


君にねだっていた、新しいパソコンも諦めるからさ。





ああ、どうしてこんなに大福が食べたいんだろう。


君の耳たぶに触れたら、余計に食べたくなった。






人間の欲って、抑えると大きくなるものなのかな。


だから世の中、犯罪が絶えないんだな。


だからって、大福に罪は無いけど。