「そろそろ戻るか」


藤宮くんは屋上のドアに
向かって歩きだした。

私も慌ててついていく。


「どこに戻るの?」

「教室」

「あぁー!!授業!!」

「とっくに始まってるよ」


藤宮くんは腕時計を
私に見せてくれた。


「もう15分ぐらい過ぎてるし…」

「俺がなんとかするから見てろって」

「はぁ!?」

「美優も俺の話に合わせろよ」

「う、うん…」


私は頷いてからはっとした。

今…美優って言った…!?