季節は流れ12月。


冬を運ぶ風はあっというまに街の中を沈んだ色に染めた。



「ルナっ!

ヤバい!大ニュースだよ!!」


「何々ー?!」



そんな冷たい空気になんて負けない2人がここには居た。




「ユウキがさー、先輩に告ったんだってー!」


「えぇ!?
あのユウキが!?」


今日も絶えない他人の恋バナ。

あたしたちの日課だ。



「そうそう!
しかも相手はハルカ先輩!

ありえないっしょー!!」



クラスメイトのユウキ。

そして超がつく程の美人、ハルカ先輩。



「で、結果は?」


結果は勿論1つだった。



「ごめんなさいだってさー!」


「やっぱし!?」



そう、やっぱり。


そんなのはみんな承知していた。

ユウキに彼女が出来た日の翌日には、きっと世界の終わりなのだ。


そのくらいユウキのルックス、性格、その他全てがアンバランスで最悪だった訳だ。



「ったくまたお前らそんな話して。」


その時ポスッとあたしの頭に乗っかったハルキの大きな手。



「男は邪魔しなーい!

いい、これはあたしたちの潤いのモトなの!」

そう言ってあたしはハルキの手をどかした。



「へいへーい。」

ハルキは自分の頭をガシガシとかきながら席に着いた。


程なくして鳴った、チャイムの音に、あたしたちも自分の席に着いた。