「ふぅー…」
これからどうしたものか。
あたしは深いため息を1つこぼし、ベンチの背もたれに体を預けた。
知らぬ間に時は流れ、もうすでに辺りは暗かった。
頭上の木々がワサワサと風に揺られ、不気味な雰囲気を醸し出していた。
時折遠くから聞こえる犬の鳴き声にビクビクしながら携帯を開いた。
不在着信が20件程はいっていた。
そのほとんどがルナ、ハルキ、そしてアスカからだった。
あたしはパタンと携帯を閉じ、空を仰いだ。
瞼を閉じる。
浮かび上がるアスカの顔をかき消して、湧き上がる涙をこらえて瞼を開けた。
そして再び歩き出す。
とりあえず家に帰ろう。
バス停に行けば何とかなる筈だ。