「ユズ…! ユズ!!」 ハルキ? ハルキだよね? 「…遅いよ……」 聞こえたのかは分からない。 あたしの荒い息遣い。 その中で発した、かすれた小さな声。 うっすら瞼を上げれば、汗を額に滲ませて、制服姿のハルキがケータイを耳に押し当てているのが見えた。 「…ありがと………」 聞こえたかな? その時、ハルキが微かに微笑んだような気がした。