セツナイロ



「おい、ちよっ…!

っ!お前重い!
俺の腰の骨折れる!!」

「う、うっさいわね!

こんなんで折れてたら今頃あんたの体、粉々だっつーの!」



後ろから聞こえる賑やかな声。



あたしは、それにはもう恐怖心を抱かなくなっていた。
だけど…



「ユウくん早く帰ろ?」


恥ずかしさが何倍にもなって返ってきた。




「もー!
あんたのせいでユズちゃんいなくなるじゃん!」

「いいから上からどけろー…!」



背中から聞こえる声には振り返らないように、ユウくんと速く歩いて帰った。