セツナイロ




「おーい、ユズ?」

「ふぇ!?

あっ、ごごめん!」

「いや…別にいいけど…


何かあった?」

「ううん…」


あたし、またユウくんに甘えてしまいそうになってしまった。

“うん”なんて言うところだった。



「ふーん、じゃ後ろのって関係なし?」

「へっ?後ろ?」


帰路。
あたしは後ろを振り返る。



電信柱の影、はみ出した4人の人たち。


あれで隠れてるつもりなのだろうか?

「っちょっ!
ヘンなとこ触んないでよっ!」

「うっせー。

しゃあないやん、せまいんやから。」

小声で話しているつもりらしいが、丸聞こえだった。



「わっ、ちょっ!
転ぶ!」

ドシン!


電信柱から勢いよく飛び出してきたのは

「はぁ…
また」

それはそれは賑やかなギャルズだった。



「…行くぞ。」
ユウくんがあたしの腕を掴み、早足で歩き出した。



あたしも、ユウくんの手を強く握り返した。