「おはようございますぅ・・・。」
結局、眠れなかった。だから、私は目の下に大きなクマを作り、そのまま出社した。
「どうした?」
「いや、ちょっと眠れなくて。」
「そうか、じゃ、無理はするなよ。」
主任は優しい笑顔で言ってくれた。少し和んだ。
「ありがとうございます。」

この笑顔が本当の笑顔だったら良かったのに・・・。

「えっと、これをどこに持ってくんだっけ?」
寝てないせいで仕事がはかどらない。ミス連発だ。
「ここだっけ?」
そこは決して開けてはいけないと言われていた扉だった。開けても真っ暗だからはじめ気づかなかった。電気のスイッチに手をかける。すると、青白い光に部屋一面包まれた。
「あれ?」
水槽らしきものが見えた。
「人?」
その中に人がいた。私は驚き、そこに駆け寄った。
「何、これ?」
更に驚く事があった。その人は、一緒に仕事をしていた中島と岩屋だったのだ。
「えっ、えっ、どういう事?」
バタン。
扉の閉まる音が聞こえた。
「見てしまったね。」
主任だ。さっきとは別人だ。とてもいやらしい顔つきで笑っている。
「あ、あの、ごめんなさい。」
私は必死に謝った。
「謝っても無駄だよ。これを見たら・・・ね・・・。」
主任の手にはナイフのようなものがあった。それを持ち、走って迫ってきた。
「あ、いや、来ないで・・・。」
逃げる。逃げる。しかし、色々な機材が邪魔をし、なかなか早く走れない。そして、コードに躓いた。
終わった。
主任が私に馬乗りになったのだ。
終わった。