石畳をしばらく歩き、酒でも飲もうかと再びベリルは食堂に入った。
ウエイトレスが運んでいる、トレイに置かれた酒のカップに手を伸ばす。
「ベリル? ベリルじゃないか!」
「ん?」
呼ばれて振り返る。
「ガイオスか」
笑顔で歩み寄る男に、ベリルは口の端をつり上げた。
赤い瞳がベリルをやや見下ろす。その閉じられた右目には傷跡。
細身のベリルとは違い、強さを窺わせる屈強な肉体に浅黒い肌と漆黒の髪が映える。
「お前が選ばれたのか。まあ当然といえば当然か」
「どなた? ガイのお知り合い?」
後ろからひょこっと顔を出した少女。
「!」
少女は、その整った顔立ちとエメラルドの瞳に一瞬、驚いた。
「彼女はイース。今の俺の雇い主だ」
「イース。唄詠みの民か」
「この方は?」
イースは興味津々でベリルを見つめた。
ウエイトレスが運んでいる、トレイに置かれた酒のカップに手を伸ばす。
「ベリル? ベリルじゃないか!」
「ん?」
呼ばれて振り返る。
「ガイオスか」
笑顔で歩み寄る男に、ベリルは口の端をつり上げた。
赤い瞳がベリルをやや見下ろす。その閉じられた右目には傷跡。
細身のベリルとは違い、強さを窺わせる屈強な肉体に浅黒い肌と漆黒の髪が映える。
「お前が選ばれたのか。まあ当然といえば当然か」
「どなた? ガイのお知り合い?」
後ろからひょこっと顔を出した少女。
「!」
少女は、その整った顔立ちとエメラルドの瞳に一瞬、驚いた。
「彼女はイース。今の俺の雇い主だ」
「イース。唄詠みの民か」
「この方は?」
イースは興味津々でベリルを見つめた。