次の日──

“コンコンコン!”

「どう……」

“ガチャ”

 セシエルが言い終わらないうちにドアが開かれる。エナだ。

「おまっ開けるの早ぇよ!」

 後ろからユリエスがツッコみ、マルタもあとに続いて入ってくる。

 部屋に充満している匂いにマルタが反応した。

「お! いい香り。チョコだ」
「ああ、今ね……」

 セシエルの言葉も待たずエナがイスに腰掛ける。

「たがらお前、早いって!」
「……」

 相変わらずだなぁ……セシエルが目を丸くして3人を見つめた。

「やあ、来たね」

 ベリルは大きめのトレイを手にしながら声をかけた。