<ドナートだ! 俺が行く>

 応援に向かう影をスコープで捉え周囲を確認する。

 すると、近くに隠れている子どもが見えた。

「ドナートの付近に子どもがいます」

 このままでは銃撃に巻き込まれるか敵に見つかる。

<誰かいけるか>

<すまん! ちょっと無理だ>

<こっちも無理っぽい>

 カイルの問いかけに、どの仲間も苦戦していることが窺える反応が返ってくる。

 近くにいるドナートは交戦中で身動きがとれない。

<頼む>

「警戒は個々で行ってください」

 カイルの指示にベリルはそう応え、その場から離れて子どもがいる場所に向かった。

 瓦礫の中を駆けるのは難しく、加えて敵がどこから攻撃してくるか解らない。

 国民の命を救うための行動であるだけに政府軍と名乗る組織からはある程度、カイルたちを支援はしてくれる。