[少年。いくつだ]

[十五です]

 問いかけた男はそれに目を細める。

[俺は五歳のときから戦場で撃ちまくっていた]

 目を伏せて、ささやくように続ける。

[相手の命なんて、考えたことはなかった]

 生き残ることが全て。

 死んだ奴らが弱かっただけだ。

 命の重さなんて知らない。

 それが普通だった。

 長く続く紛争地域では、まだ善悪の区別のつかない子どもを拉致し兵士に育てることもある。

 そういう子どもは、疑問を持たずただ敵を撃ち殺す殺人兵器になる。

 大人を洗脳するより、子どもを使う方が楽だからという理由で子どもが利用される。

[こんな俺でも、死ぬまでに何か出来るだろうか?]

 彼のように、戦うことに疑問を持つ人間は少ないのかもしれない。