「そういえば由比、ほんまにこの人誰や?」
「おそらく俺の兄貴の上司だ。
でも………」
口を開いた陵はすぐに、言葉を濁した。
「でも、なんや。」
急かす勇斗に、今度はあたしが答える。
「長畑さん、さらちゃんの知り合いって一言も言わなかったし、隠している様にも見えなかった。
それに、知り合いが行方不明じゃ、あんなに落ち着いていられないと思うの。」
この写真に写る子の特徴からすれば長畑さんにほぼ間違いはないはずなのに……。
「まあ、気楽に行けばいいんじゃない?
暗号も解けたんだし☆」
いつの間にかパソコンをひらいていた七海が、あるページをパソコンに表示させてのんびりと言った。
「こんなことしてても、中身はただの高校生。
今を楽しまなくてどうするのよ。」


