「ウソ、まじ?」
「まじ、大まじ。」
ここまで予想していなかったあたしたちは、ただまじを連発しているだけだった。
放心状態のまま、連絡先をかいて、あたしたちは部屋をでた。
とっ、とりあえず気持ちを落ち着かせないと……。
「あっ、あのさ、陵!!」
「んっ!?」
お互い動揺しまくりのあたしたちは会話すら気まずくなる。
「えと、眼鏡っ、返さなくていいの?」
よく考えてみると、私服に着替えたはずの陵はなぜか、眼鏡をかけっぱなしだ。
「残念、これ私物。」
さっきの動揺はどこへいったのか、陵は冷静な顔をして、眼鏡を外した。
「へー。そうなんだ……って陵、眼鏡してたの!?」
こりゃ驚き〜。
でも、その眼鏡すら似合ってしまうんだからなんだか悔しい。
なんか、見ているこっちが恥ずかしくなるというか、少し長めの茶色い髪から見え隠れする切れ長の目が、眼鏡をかけているせいで、よりいっそう大人っぽくなった感じ……って何いってんの、あたし。


