あたしの目の前にはさらちゃんそっくりの………ってさらちゃん!?
「本物……だよね?誘拐されたんじゃ……。」
「こ、この事は誰にもいわないでっ。お願い……っ。」
そういうとさらちゃんは頭を下げた。
うーん……どうしよう。
「えと、あたしの名前は矢井田由比。さらちゃんと同じ高1。よろしくね
いきなりだけど、あたしはあなたを助けるためにここにきたの。」
「私を……助ける?」
その時、廊下を歩く足音があたしたちの耳に響いた。
「ごめんなさいっ。私、行かなくちゃ……ここにいることを知っているのはほんのわずかな人だけなの。
三階に私はいるから。
ちょうど階段をあがって右側の一番奥の部屋っ
じゃあ、私いくね!!」
さらちゃんはそう早口で言うと、走っていってしまった。
「ヤバッ!!着替えなくちゃ!!」


