「この時計台は遊園地の関係者でも、入れるのは父さんのような技師か、遊園地の管理者くらい
父さんも母さんも殺されるとするならここしかないってわかってたわ
そしてそこにいる男にあたしはここに連れて行くように言ったわ
どうしてもこの鐘に祝福されながら死にたかったの
ま、その前に秋野に毒を吐かせてもらったけどね
それだけいえれば十分だった……
それにあたしが死んでも、きょうこなら事件の真相に気づいてさらを助けてくれると思ったから
それにそうすれば秋野の悪行も全て表に出される」
冬香さんはきょうこさんを心の底から信じていたんだ……
自分の死を覚悟して、さらちゃんを助けようとしていたんだ……
「……っ」
そして微かにすすり泣く声があたしの耳に入ってきた
「さら……ちゃん…」


