5分ほどたった頃、パソコンをいじっていた七海の手が止まった
「ビンゴ」
ふう、と息をはいた七海。
「七海?何かわかったの?」
「まあね。素人がパソコンを使った場合、削除すれば平気って思考なのよ
このくらいのことで消されたデータを見られないなんて思ったのが運のツキってやつかな」
ひとりごとのようにぶつぶつと呟いた七海は、パソコンの画面をあたしたちに見せた
【昭和〇〇年入社
宮下達治 高卒】
「何これ?」
「入社した社員のデータ
あの遊園地の従業員よ
ちなみにこのときの秋野グループの社長は秋野の父親
で、秋野は副社長」
つまり、秋野のもとでさらちゃんのお父さんの宮下さんが働いていた……
「でも、偶然てことだって……」
「この宮下さんの記録、削除されていたのをあたしが復活させたの
ちなみにこの遊園地が創設されてからの従業員のリストは創設当時から全部残ってるわ
ただこの、宮下さんだけ消されていた
これも偶然?」
ということは……宮下さんは表面上あの遊園地では働いていなかったことにされてる……
「こうなると、2人のお母さんの行方も怪しくなるわね」
「そんな!!」


