秘密の生徒会探偵団☆



「あの……長畑さん。
1つ聞いてもいいですか?」


重苦しい空気の中で口を開いたのは七海だった


「何?七海ちゃん」


いつものように接してあるけど、長畑さんの瞳は戸惑うようにゆらゆらと揺れていた



「冬香さんの本当のお父さんの職業ってわかりますか?」


予想外の質問だったのか、長畑さんは目を丸くさせた


「いえ……なにも聞いてないわ
お父さんは生まれてすぐにいなくなったことしか……」


「いなくなった?離婚てことか?」


怪訝な顔を浮かべた勇斗は後ろから顔をつき出す


「離婚じゃないわ
確か籍をいれていなかったっていってたから。

冬香もまさかこんなことになるなんて想像してなかったから、父親の職業なんて……」


「てことは遠藤って名字は母方の名字で間違いないですよね?
じゃあさらちゃんのお父さんの名字はわかりますか?」


まるで七海が長畑さんを事情聴取しているような光景だった


「そうね……孤児院に来たときにはすでに遠藤だったし……

……あ。そういえば!!
そうよっ、確か前の名字は宮下って言ってたわ!!」



「宮下、ですか。
ちょっと待ってください」