ぷっ。
「なにが思う、よ。
自覚してるならそれはもう好きなんじゃないの?」
目を細めて笑う七海に思わずあたしもつられる。
「多分、ずっと一緒にいたから、幼なじみって感覚から抜けられなかっただけなんだと思う。
キスされたとき嫌だって思ったのはそのせいなのかなって。
なんだかんだ言って傍に居てくれるのが当たり前になってて、それが普通なんだと思ってた。
あたしにとって陵は大切な存在なんだと思う。
幼なじみ以上に……。
あたし、間違ってるかな?」
そういうと七海は満足そうに首を横に振った。
「由比の言うとおり。
陵も由比と同じように傍に居てくれるあんたが大切な存在だって気づいたんだよ。
由比よりもかなり早くね☆」
そう言ってにこっと笑う。
陵、ずっとあたしのこと見てくれてたんだよね。
そばにいてくれたんだよね
あたしも、やっと気がついたよ。


