ひらがなで『りょう』とうたれたケータイを物珍しそうに覗く、あたし以外の3人は、必死にあたしが与えたヒントを解こうとしていた。
「とりあえずやったけど……これがどうした?」
いつもは冴えている陵もお手上げの様子であたしをみる。
「じゃあ、陵の『り』ってうつにはどのダイヤルの何番を押せばいい?」
「えっと……7。」
「じゃあ、『り』って7を何回押せば『り』になる?」
「二回……なるほど。そういうことか。」
やっと、納得した陵。
他の2人を見ると2人も清々しい表情をしていた。
「つまり、左側の数字は、あ行以外のか行、さ行、た行……まとめて言えば子音を表している。
そして右側の数字はあ行、母音を表す。
左側を数字は、ケータイのダイヤル。
右側の数字は、左側の数字をおす回数を表しているってわけ。」
あたしは3人の顔をみながら言った。
「だから、暗号の上に置いてあったケータイはおもし代わりではなく、暗号をとくヒントだったの。」


