「で、どうだったわけ?」
着替え終わったあたしは七海と向かい合うように座っていた。
この聞き方からすればきっと電車のこと何だろうな……。
「別になんともなかったけど……」
「ホントに?」
いや、ホントもなにもって感じなんだけどな……
「七海が何を想像してんのかわかんないけど、陵とあたしがただの幼なじみってこと忘れてない?」
「忘れるわけないでしょ。
幼なじみだからこそ何かあってもいいじゃん。」
言ってる意味がわからない……。
「結局、七海は何が聞きたいの?」
「陵を幼なじみ枠から外して欲しいってとこ。」
…………はい?
「だって陵は幼なじみじゃん。」
「そりゃそうだけどさー……
由比は陵にドキドキしたことないわけ?」
やっと七海の言ってる意味がわかった。
「つまりあたしと陵にくっついてほしいと。」
「そこまでいってないもーん。
ただこんだけ息があってるのにくっつかないのが不思議だなぁって思っただけ。
ま、あたしの勝手な想像だから気にしないで」
そう言って七海はテレビをつけた。
「そだ。明日久々に学校いかない?」