秘密の生徒会探偵団☆



「で、なんで断っちゃったわけ?」



30分後、あたしは電車に揺られていた。

たまたま家に帰るサラリーマンでごった返す時間。


こんなことをいうのもなんだけど送ってもらうほうが正解だったと思う。


「別に。深い意味はない」


外の景色をぼんやりとみる陵。
夕焼けに照らさせるきれいな横顔。


「じゃあ、何であたしだけ陵の付き添いなの?」



周りにいるのは大人ばかり。
七海や勇斗の姿はない。





「それも特に意味はなし。」


チラッとあたしのほうをみる陵
思わずドキッとしてしまう。


今日のあたしなんか変だ。



でもそれよりもどんどんと車両は混んでくる。

せっかく縫い合わせた腕の傷口に変にぶつかって、傷が開くのではないかと、あたしはさっきからひやひやとしている。


「傷……まだ痛むの?」

その言葉に陵は、ん?と首を傾げてニヤリと怪しい笑みを浮かべる。


「珍しく今日は心配してくれるじゃん♪」

「あ、当たり前でしょ。
こんなこと想定外なんだもん。」


思わずきつい言い方をしてしまう。

うっ。こんなこと言うはずじゃなかったのに……。