腰が抜けたのか、あたしはその場にへなへなとしゃがみこんでしまった。
……このままじゃ陵が危ない……っ。
腕を押さえたまま立ち上がる陵。
「なんで今現れたんだ……?
遠藤冬香さん。」
冬香さん!?
この間会った冬香さんとは見た目が違いすぎてわからなかった。
以前会ったときは薄いメイクに眼鏡をかけてどちらかというと大人しい雰囲気を持った。
でも今目の前にいる冬香さんは華やかな印象を受ける。
ハッ!!
そうだ、長畑さん!!
振り返ると長畑さんは驚きをあらわにしながら動けないでいる。
やっぱり本物なんだ……。
「秋野さらはどこにいる。」
「知らないっ。私は……違う!!」
そういうと今度は陵に向かって冬香さんはナイフを向ける。
「そうはさせるか!!」


