「今回パーティーに呼ばれた人たちってどういう職業の人何ですか?」
陵の自然な質問にフフ、と優雅に笑う秋野ようこさん。
そこには影がつきまとうようには見えなかった。
「あなたたち、本当に探偵みたいね。
そうね。今回はあたしたちの事務所の新人を中心に集めているの。
さらが失踪してしまったから、看板になるような人や新しい可能性を見つけようと思ってね。
この間はさらの失踪のきっかけとかを聞くつもりだと言っていたけど、メインは先方よ。」
一瞬“探偵”という言葉にドキッとしたものの、普通に答えてくれた。
「そうなんですか。
道理で見たことのある人が多いと思いましたよ。」
「そういえばあなたも私たちの事務所に所属してくれていたわね。
ここは人の出入りが激しいから、なかなか覚えられないのよ。ごめんなさいね。」
「いえ、呼ばれただけで光栄です。」
ニコッとまぶしいくらいの笑顔を向けて陵はチラッとあたしをみた。
何かわかったってことね。
「忙しいのにひき止めてすいませんでした。」
「あら、子供がこんなことで気を使う必要なんてないわ。
もっと歳にあった自分らしさをもってね。
ドシッと構えることが大切よ。」
そう言ってようこさんは他の人のところに行ってしまった。


