「お茶を持ってきました。」
長畑さんはあたしのほうを見ると、一瞬まゆをぴくっと動かした。
「なぁんだ。こっから出れると思ったら、ただお茶も持ってこられただけか。
てことは、一体何時間こんなせまっちい所にあたしは閉じ込められているのかしらねぇ?」
嫌みったらしく、聴取をしている警察をなめるように見ている長畑さん。
こりゃ、警察も参るわ。
「そんなこと言われても……「っていうか、そもそも何であたしがたいほされなきゃ行けないのよ!!え?」
「詳しくはいえないが……
とにかくッ、君が秋野さらについて何らかの情報を知っているとたどり着いたのだから仕方の無いわけで………」
「だったらその情報とやらまで調べろっつってんだよ、こっちは!!
なんなわけ?秋野さらに着いて知っている?
だったら何よ!!あの子は知り合いなの。
私情を挟むわけにはいかないから、黙っていたのにそれでこの有様っ
ったく、警察もどこまで落ちぶれたら気が済むのよ。あきれるわ。」
「お前、そこまで言っていいのかっ!!」
パイプ椅子をがたんと倒して立ち上がる警察に、長畑さんは机に足をガンッと乗せた。
あぁ……ここまで うわさ通りだ……。
「あら、何のつもりかしら?
言っておくけど、あたしもまだ刑事の仕事をクビになったわけじゃないからね。
ここで殴ったら、公務執行妨害の現行犯で捕まるわよ。
まぁ、そもそも男の人がか弱い女性を殴るなんて、世間的にまずいわよねぇ。」
フッ。と口角を上げる長畑さんに、警察は殴ろうとしていたわけじゃない……と苦い顔をして再び座った。


