「あの、聴取をしている方にお茶を持ってきたんですけど。」
「あぁ、わざわざすまないね。ったく、あの長畑という女、刑事やってるだけあってしぶといというかなんと言うか……」
中にいたのは、いかにも刑事という男4人と制服警官が1人。
「あの、お偉いさんがいるって聞いたんですけど、人数を教えていただければもう一度お茶をもってきますが……」
「それなら気にしなくていい。さっき帰ったからね。
そのかわり、俺達の分を頼め『だぁかぁらっ!!あたしはやってないわよ!!』
「わっ!!」
女の人の声が突は然部屋に響いた。
「はは……さすがにびっくりするだろうね。
俺達はもう何時間も聞いているから慣れてしまったがね。」
「この声って長畑警部ですか……?」
「ああ。こっちは参っているのに、向こうの体力は一向に減らないようだ。
さてと、お茶でも飲ませて少し落ち着かせてくれ。」
「……はい。」
マジックミラーでこちらからしか見えない聴取の様子は、さっきの警察の人が言っていた通りだった。
「失礼します。」


