「どうする?先にどっちを始める?」
「お前からでいい。時間もかかるし、いざとなったら応戦してくれ。」
俺は、さっきの容器を由比に渡した。
「陵のは?」
「七海が余分にあと2つ注文した。」
そう言って、俺達は止められることも無く聴取を受ける部屋がずらりと並ぶつうろに入った。
「さっきのはガセネタか。」
「気抜かないの。ここからが勝負なんだから。」
ひとつのドアの前に来た俺達。
由比がゴクリとつばを飲み込み、ドアをノックさせた。
俺はドアを開いたときに死角になる位置に移動する。
「はい。」
なかからつかれきった声が聞こえ、由比はドアの向こう側に姿を消した。


