「あら、探し物は見つかったんですか?」


「はい、おかげさまで。ホントにありがとうございました。」






爽やかさで目がくらみそうだわ……。


何なのよ~。普段はあんな顔しないくせに調子いいんだから。




「じゃ、俺達そろそろ帰らなくちゃいけないので、失礼します。」

「あ、ちょっと待って。」





背を向けたあたし達の後ろから声をかけられ振り返ると、さらちゃんのお母さんは封筒のようなものを持っていた。








「よかったら来て下さい。
何かの縁かもしれないですし……。
あ、別にやましいものじゃないのよ。今度の土曜日の夜にパーティーを計画してるの。


もしかしたらさらのことも何か分かるかも知れないし……

こんなことしかできないのがとても情けないのだけど、芸能界の色んな方が来られるから楽しめると思うわ。

ほかに何人か誘う?」






予想外の展開に驚きながら、あたしは、それじゃぁ、あと2人分……。と小さな声で言うと、ニコリと笑ったさらちゃんのお母さんはためらうことなく同じ封筒を差し出した。











「もし来て見かけたら声をかけてくださいね。」







そう言ってわざわざ玄関まで送ってくれたのだ。













「まさかの展開……」


「ま、これで手がかりが0になったわけじゃないんだから助かったぜ。」