またあの時のようにインターホンに手を伸ばす俺。 そして、向こうもやっぱり、あの時と同じように受け答えをした。 「あの、何度もすいません。 実はそちらに忘れ物をしちゃったみたいで……」 「あら、そうですか。 おかしいわね……掃除をしていてそういうのは見ていない気がしたけど……」 「すごい小物なんですよ。 こちらのリビングにいたときにはあったので、さらちゃんの部屋かと思うんですが。」 すらすらと関門を通りぬける俺に、由比はあきれてものが言えない。とでも言うように肩をすくめた。