意外な展開に何もいえず固まっていると、聞き覚えのある声があたしの耳に届いた。
「由比!!
遠藤冬香は秋野さらとは片親の血しか繋がってない!!
はやく秋野さらの家に行くぞっ!!」
走って事務室から出てきた陵はあたしの手を握った。
「ちょっと待ってよ!!
今この2人に話を聞いてたところなのっ。」
「え?」
いぶかしそうに2人をみた陵。
あまりの目力に2人はうつむいてしまった。
「なんの話を聞いたんだ?」
「さらちゃんのこと。
この2人はさらちゃんのことを知っていたけど、冬香ちゃんのことは知らなかった。
遠藤冬香ちゃんは片親の血を引いているんでしょ?
矛盾してる。」
「目の前の情報だけにとらわれるな。
とにかく今は早く秋野さらの家に行く。
そこの2人もさんきゅな。助かった。」
早口にいった陵はそのままあたしを連れて走りだした。


