「あ、もしもし勇人?なんかそっちで変な人に襲われたりしなかった?」 『今まさにその最中やで~。ったく、もしかしてそっちもかってあぶねっ。 なにしよんねん!! 今電話しとるやないかいっ。』 あ、あはは。 「落ち着いたら、電話くださーい。」 ピッ。 「ん?どうかしたか?」 女の人をおんぶする陵が不思議そうな顔をしてあたしにたずねた。 「いや、今勇人っちも修羅場の最中だったもんで……。」 「あいつ、敵に囲まれといて電話手にとったのかよ……。」 恐ろしい………。