その言葉に反応したのか、脅威的なスピードで、相手は俺に詰め寄った。
ナイフをかわしながら、なるべく手を出さないように言葉の対応にすることにした。
「あんた、俺らに何の恨みがある。」
「秋野さらと泉に近づくな。」
なんで、こいつそんなこと知って……!!
その時、一瞬油断した隙に、頬の辺りから赤い液体が流れるのがわかった。
「………っ!!」
暗闇のせいもあって、ギリギリまで近づかないとほとんど見えない。
仕方ない。
「あの姉妹は俺たちが仕事することになった被害者だ。
簡単に仕事を捨てることは上が許さない。」
そういって俺は、相手の腹部に一発食らわせた。
苦しそうな声が聞こえて、相手はそれっきりぐったりと気を失った。


