「由比を離せ。」 「…………。」 なんだよ、こいつ聞こえてねぇのか? その時、キラリと光った物が何かわかった。 いや、状況からすればわからなくてはならなかった。 「ナイフ……か。」 呟いた言葉に反応するように、マスクと帽子で顔を隠した人は少しナイフを由比に近づける。 体格からして、女。 そして由比を押さえつけることが出来るからそれなりに動ける。 「やるなら……俺をやれ!!」