僕の執事 完結編

涙声になりながら、必死に笑おうとしてる恭平を、凝視する事が出来なかった。
俺には分からない苦しみと悲しみを味わってきた恭平に、なんて言えばいい?
─この後、恭平はイジメに合うんだってまた笑った。


「俺が付けてるこのネックレスは、紅平の意志で付けてるんだ。
形見でもあるんだけど。」


『意志?』


「そう、紅平が居なくなってから、俺しばらく紅平の部屋に居たんだ。
一人で居るのが辛くて、怖くて。 その日も電気も点けずに、紅平の部屋に居たんだ。
ベッドに座って、部屋見渡して、何するわけでもなくただボーっとしてた。
少し経って、引き寄せられるように机に向かって歩いた。
引き出し開けたら、手紙がしまってあったんだ。
俺宛と母さん父さん宛、アリスの分もあった。
あんなのいつ書いてたんだろう? 俺宛の手紙だけ取り出して、座っていざ読もう!!と思ったら手が動かなくてさ。
開ける前から文字が霞んで、手まで震えだして…。
なんか、読んだら紅平がいないのを認めなきゃいけないような気がして。涙が止まんなかった…」


言葉を詰まらせる恭平に、先を促すような事はしなかった。
誰にでも触れて欲しくない事の一つや二つあって当然だし。
悲しむふりしても、同じ痛みなんて知ることが出来ない…─