僕の執事 完結編

少し肥満気味の体を揺らしながら、大きく笑ったあとで、先生は急に真顔になって、そのおじいさんの事を話し初めた。
《その患者さんは、末期のガンでね… 薬でなんとか抑えようとしてるんだか、進行が速くて
寿命だったのかな?なんて医者が言うセリフじゃないね、もって半年。
いや、一年。なんとか命を長くしようとしたんだが…一週間程前、家族に見守られながら旅立って行ったよ。》
《……。》
《ちょっと話しすぎたね? でも、紅平くんの病気は再発しない限り大丈夫だから。退院おめでとう。》
あの時の先生の背中、凄く悲しそうだった。


結局、紅平の病気が何なのか知らずに過ごして、今になって病名が分かったんだ。
智章に聞いたら、渋々話してくれた。
抗がん剤治療は、俺が学校から帰る頃には全て終わってて。
紅平が頼んでたらしい。
俺がいる時は、薬の投与止めて欲しいって。
副作用も出ただろうに、俺の前では弱音吐かずにいつも笑ってた。
白血病にも色んな症状があることを知った今なら、紅平の取った行動の意味がすべて繋がるんだ。
もし俺が同じ病気にかかったら、きっと紅平に八つ当たりしてる。
それがアイツと俺の違う所なんだろうな…」


『白血病…』