僕の執事 完結編

個室に移されてから笑顔が減った紅平に、バレバレの作り笑いして入ってさ。それでも何も聞かずに笑うんだ。
《おかえり!》って
泣きそうになったのグッとこらえて、その日あった出来事と授業内容を事細かにメモしたノートを広げて病室で勉強したんだ。
気が紛れればって。
おかげで解らない問題まで解けるようになった。


それから何日かして薬の投与が始まった。
病名がなんなのか毎日紅平を見てたから、調べれば解るかもしれない。
そう思って本屋とか、市立図書館に行って探して見たんだけど、やっぱり症状だけじゃ解らなかった。
心臓なのか、脳なのか…
血液の病気なのか…
聞いたことある病名しか浮かばなくて、ネットで調べてようやく無駄な事なんだって諦めがついた。


行くたび腕から点滴の管が伸びててさ、副作用なんだろうな…髪が抜けはじめて。
見てられなくて《坊主にしたら?》って言ったんだ。
そしたら、《じゃあ恭平が俺の髪切ってよ!》って看護婦さんにバリカン借りて…泣きながら剃ったの覚えてる。
丸坊主になった紅平が鏡越しに、笑いながら言うんだ。《上手いじゃん! あ、今度来るときさ、俺に似合う帽子買ってきてよ》って。