僕の執事 完結編

「一番前、乗る?」


『えっ…?』


「まだ怖いんですか?」


『怖いんじゃなくて苦手なだけ!!』


「それを怖いって言うんです!! 前に行った時乗ったんじゃないんですか?」


『嘘付いて断った。ハハッ…』


そんな事を言ってる間にも、スローモーションで最前列が近づいてた。


「今日は付き合ってもらいますよ!!」


『…はぁ…』


覚悟を決め最前列に乗り込み降りてきた安全バーにしがみついた。
ジェットコースターは嫌いじゃ無いけど、小さい頃に初めて乗ったジェットコースターが想像以上に凄くて、声を出すことも息をするのも忘れ、窒息しそうになって以来乗らなくなった。


「行ってらっしゃーい」


笑顔で手を振る係員の言葉を合図に、ゆっくりと先の見えない線路を進み始めた。
昼ならまだしも夜…真っ暗な闇に落ちてく恐怖をかき消すようにキツく目を閉じた。


─数十分後─


『…もうダメ、無理…』


ベンチでうなだれてる自分が、いつかの泉みたいでちょっと哀れに思えた。 ジェットコースターは予想より平気だった。
でも、その気持ちは呆気なく撤回された。