僕の執事 完結編

『え? 別に?』


「…怪しい、何か隠してます?」


『何も隠してないし?あっ!』


「やっぱり隠して…」


まだ何かブツブツ言ってる葵の手に、駄菓子屋で買った丸くて赤いリンゴ飴を乗せた。


「飴?」


『これ、一応ごめんの飴…。』


「ごめんの飴?」


暫く手に乗った飴を眺め、俺の言った言葉を繰り返した。


『そう、お見合い断れなくてごめん!の飴。
葵がイラついてたのって、俺が見合い話引き受けたからなんだろ?』


そう言ったら、小さく笑って半分そうだと言った。


『半分?』


「断れない状況だったし、仕方ないと思ってたから。
…それと、もう半分は仕方ない!って割り切ったのに、ヤキモチやいてる自分に対して怒ってたんです。」


『そうなんだ…』


「なんか、迷惑かけてたみたいでごめんなさい。」


『迷惑かけられたつもり無いけど。
それより、何乗るか決まったの?』


「あ、はい!」


暗い顔が一変、満面の笑みを浮かべて乗り物を指差した。


『…好きだね。』


「フフッ、行きましょう!!」


俺の手を引き、張り切って歩く視線の先には、年明け初のジェットコースターがあった。
残念な事に、並んでる客が少なくてすぐに順番が回ってきた。