僕の執事 完結編

バスに揺られ、30分が過ぎてやっと目的の場所に着いた。
バスを降りると、家を出た時のような温かさが消え、刺すような冷たさに変わってた。


『寒…っ』


震える俺達の少し先から、騒がしい声と悲鳴が聞こえてた。


『その格好寒くない?』


「少し寒いです。」


あまりの寒さに、無理に笑った顔が引きつってた。


『やっぱり…』


辺りを見渡しながら、脱いだコートを葵に掛けた。…この辺に自販機無いのかな?


『…え?』


考え事をしてたせいで、葵の言葉を完全に聞き取れず、聞き返した。


「陸も寒いのに、いいよ…」


遠慮がちに言う言葉と、コートを返そうとしてる手をとめ、勝手に脱がないよう一番上のボタンだけ閉めた。


『俺なら大丈夫だから。 それより、この辺に自販機ないのかな?』


「でも…」


まだ何か言いたそうな顔をしてる葵に、もう一度、少し強めに大丈夫だと言ったらやっと大人しくしてくれた。
 ─それから、やっと見つけた自販機でホットミルクティーを2つ買った。


『あぁ…暖まる』


一口飲んだら、ミルクティーが通った部分だけ熱くなった。
隣では、両手でミルクティーを包み、冷たくなった頬を暖めてる葵がいた。