僕の執事 完結編

『ん、うまい。』


「なんか、子供に戻ったみたい」


『でも、その頃はこういうの普通に出来てたんだよな…』


串カステラと駄菓子が入った袋で両手を塞がれてる葵から、袋を奪うと手を握った。
いきなりの出来事に驚く葵を無視し、藍色に染まってく空を眺めた。


『観覧車…』


「ん?」


突然出てきた言葉に俺自身も驚いた。


『観覧車でも乗りに行くか。』


「今から?」


『そう、今から。』


でも、その事を少し楽しんでる自分もいた。
葵の手を引き、足早にバス停に向かった。
この時間帯のバス停は、帰りの学生やサラリーマンてごった返してるのが分かってたけど、足が止まらなかった。


『大丈夫?』


走りながら何度も葵に訊いた。そのたびに葵は何も言わずに頷いた。
それを見て、俺は走る速度を落とした。
冷たい風に耳と鼻が痛くなってきた頃、ようやくバス停に到着した。


『着いた…はぁ~疲れた』