僕の執事 完結編

カラカラ…─
懐かしいガラス戸を開けると、店の中を夕陽が照らした。
そして、奥には座布団の上に背を丸くし眠るおばあちゃんが居た。


「懐かしい…」


おばあちゃんを起こさないよう小声で喋る葵の声は、まだおばあちゃんには届いてないらしい。


『…なあ、買う時までにはおばあちゃん起きるかな?』


駄菓子を眺めながらも、すでに手にお菓子を持ってる葵に聞いた。


「起きるかな?」


俺達の視線がおばあちゃんに向いた時、奥から人が出てきた。


「いらっしゃい!」


優しい笑みを向けられ、少し驚いたけど、どうやらおばあちゃんの娘さんらしい。
軽く頭を下げ、葵と二人顔を見合わせ微笑した。


「─買いすぎかな…?」


大量に駄菓子を買った葵は、袋の中を覗き、歩きながらそんな事を呟いた。


『いいんじゃねえの? たまには。』


「…ん~…」


小さな唸り声が聞こえたあと、目の前に串カステラが現れた。


『んっ?』


いきなり差し出された駄菓子に、俺は困惑し葵を見てた。
葵は笑顔で"あげる"と言った。


『じゃあ…遠慮なく』


串カステラを一つ頬張り、また歩き始めた。