「ありがとう、父さん。じゃあ、行こうか?」

「もう、そんな時間か・・・」


遥が、綾野に手を差し伸べる


「・・・・・・・・・」


遥を見上げて、綾野は一瞬躊躇う

「・・・行こうか?」

「・・・・・・はい」


差し出された手を握り返し、綾野は真っ直ぐに、遥の瞳を見返した


愛は要らない


──必要なのは・・・・・・