愛は要らない



「何か用?」

『久しぶりに会わないかなぁ、と思って。結婚生活についても、いろいろと聞きたいし』


梨華の誘いに、綾野は少し考える


「遥に聞いてみるわ。まあ、大丈夫だと思うけど」

『そう?決まったら連絡して。土日は大抵空いてるから。じゃね』


切れた電話にため息をついて、綾野は受話器を置いた




その夜は珍しく、遥は早めに帰ってきた


「・・・お帰りなさい」

「ただいま。うわぁ、傷つくなあ、その表情」